妄想の種類
こんにちは、安堂達也です。今週で最終回となります心の病の情報を提供します。
他人事ではない統合失調症
幼児教育の現場で話題にあがってくるのが、教職員や保育士の心の病による休職や離職の実態です。
残念なことですが、私が訪問する園の2園に1園は、こうした問題の相談事が【職場改善】に付随して出てくるものです。
知っておいていただくだけでも、いざというときに助けになるかと思いますので、数回にわたり【心の病】について、情報提供したいと思います。
情報提供者である私の立場は、保育の現場指導(臨床)経験を踏えた認定心理士、という位置づけであります。
第7回 【統合失調症】
統合失調症は、思考や感情がまとまらなくなる状態が続く精神疾患で、その原因は脳の機能にあると考えられています。そのため気分や行動、人間関係などに影響が出てきます。
思春期から40歳くらいまでに発病しやすい病気です。
症状)
統合失調症には、健康なときにはなかった状態が表れる陽性症状と、健康なときにあったものが失われる陰性症状があります。
陽性症状の典型は、幻覚と妄想です。幻覚の中でも、周りの人には聞こえない声が聞こえる幻聴が多くみられます。
陰性症状は、意欲の低下、感情表現が少なくなるなどがあります。周囲から見ると、独り言を言っている、実際はないのに悪口を言われたなどの被害を訴える、話がまとまらず支離滅裂になる、人と関わらず一人でいることが多いなどのサインとして表れます。
他に認知機能障害という形で、症状が現れることもあります。
1.陽性症状)妄想・幻覚・思考障害
2.陰性症状)感情鈍麻・思考の貧困・意欲の欠如・自閉
3.認知障害)記憶力の低下・注意集中力の低下・判断力の低下
妄想の主なタイプ) 妄想の定義は「他人の説得によって訂正され得ない了解不能な考え」です。何時間もかけて理路整然と説明しても、妄想を訂正できないばかりか、しつこく説明すると本人が怒り出し、ますます言うことを聞いてくれなくなります。
1.被害妄想…“周囲の者皆が悪意を持って接してくる、危害を加えようとしている”等と思い込む
2.関係妄想…“他人の何気ない会話が“自分のことを言っている”等と思い込む。
3.注察妄想…“他人がいわくありげな目で自分を見ている”と思い込む。
4.血統妄想…“自分は高貴な家柄の出である”と思い込む。
5.恋愛妄想… 特に親しくもない異性が“自分に好意を持っている”と思い込む。
6.思考伝播…“自分の考えていることがすべて他人に知られている”と思い込む。
7.作為体験…“自分の行動が誰かに操られている”と思い込む。
8.幻聴… 誰もいないのに声が聴こえる。神の声が聞こえる。テレパシーや電波で話しかけられると感じる。 これらの幻覚・妄想に基づき、常識では理解できない言動を示します。例えば、職場で急に「私の悪口を言わないでくれ」と叫びだす、「この部屋に盗聴器が仕掛けられているので、取って欲しい」と言ったりする、などがあります。 早期発見と早期治療が、早い回復につながります。
心の病は、特別な病気ではありません。
毎年、全国各地の職場で、発症されている、とても身近な病です。
大切なことは、症状の始まりに気づき、早期の休養や治療に入れるようにしていくことです。
今、無理をしたせいで、この先に離職してしまうという事態は、たくさん起きているのですから。
お知り合いやご近所に心療内科や心理カウンセラーがない場合は、弊社にご相談ください。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
今週も、笑顔で仲間と働き合えますように♪
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文責(C)安堂達也
株式会社安堂プランニング 代表取締役・幼稚園経営コンサルタント
幼稚園☆元気塾 主宰・幼稚園研修.com 運営代表・保育研修プロデューサー
キャリアコンサルタント・認定心理士・TA心理カウンセラー・メンタルアップマネージャー
主な著書に「園児を集める49のヒント」「連絡帳の書き方ハンドブック」民衆社刊