安全の保育
こんにちは、安堂達也です。
今回も私学経営上のリスク管理・リスク回避について考えていきます。
保育中のリスクに対策する方法
保育時間中に潜在する経営の脅威となりうる事項
- 園児の生命管理 → 2歳児保育の増加と遊び・運動中の怪我・事故リスク
- 設備の安全管理 → 危険個所・修繕必要個所の認識不足による事故リスク
- 職員の意識啓発 → 遊び・運動支援時の正しい知識の不足による事故リスク
- 職員保育力の向上 → 早期離職の常態化による保育力・指導力レベルの低下
上記への対策を以下のように考えてみました。
1.保育中のリスク管理
①リスク発生の背景
戦後の家族環境の変化による兄弟人数の減少と外遊びの減少による幼児の体力低下、受け身の耐性低下から怪我をしやすい身体環境に。また、教師の多忙感から園内設備や遊具への毎日の安全点検と死角管理の緊張感の欠如。
教師のリスクマネジメントとしてのヒヤリハット記録提出や日常的危険個所のあぶり出しのない状態。体育活動の専門講師任せにより、幼児の身体運動、安全支援への不勉強。少子化による人材不足で、教師の質の低下は前述の通り。
②リスク発生の構造
教育環境としての
1.敷地内遊具・設備・園舎
2.教師の保育スキル
3.教師の安全意識
4.園児個別の特性
等へのマネジメントがバランスを欠き、全体のレベルが低下することにより、各項のリスクが高まる。
③リスク予防の対策
1.基本行動
教育的活動の推進や日常の保育活動には目を向けやすいが、その基盤となる安全管理の部分に注意を払い、教育的効果を発揮すること以前に、大事な命を預かっているという大前提を再確認し、各項目への意識を高め、具体的な日常行動へと落とし込む。
2.具体的習慣
・園児の生命管理 → 2歳児保育の増加と遊び・運動中の怪我・事故リスク
①幼児身体の特徴、及び怪我の予防と応急措置について、実践可能なレベルに修得。
②園児一人ひとりの健康情報について、せめて学年内の教員、補助教員は共有する。
③2歳児と年長児のプレイエリアまたはプレイタイムの分離境界線作りで安全確保。
・設備の安全管理 → 危険個所・修繕必要個所の認識不足による事故リスク
①日常における遊具や設備の基本的な安全点検と清掃確認の見直し。
②園舎建具の不具合や損傷個所の早期発見と営繕の定期化、責任エリアの分掌。
③園舎内リスクマップの作製と場所リスクの全職員共有を恒例行事として推進する。
・職員の意識啓発 → 遊び・運動支援時の正しい知識の不足による事故リスク
①体育活動時の保育者にできる支援と活動前後の留意点を学び知識化修得化を図る。
②ヒヤリハット運動の推進。日常活動で、危ないと感じた事象を記録し共有する習慣作り。
③全体の中の一人でなく、理念共有を前提にプロ教師の一人として同僚性を高める。
・職員保育力の向上 → 早期離職の常態化による保育力・指導力レベルの低下
①職場内訓練の制度化。入職時新任研修からリーダー研修、日常支援の体制化。
②保育目標の理解と教職員の保育方法の共有化。技術とマインドの育成支援。
③保育力評価基準の明文化。人事評価制度や業務マニュアル策定等の一連整備。
いかがでしたでしょうか?
こうした各項目にも目をやりながら、「保育中へのリスク」管理に臨まれることが大切です。
ご参考になれば幸いです。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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メルマガ文責(C)安堂達也
株式会社安堂プランニング 代表取締役・幼稚園経営コンサルタント
幼稚園☆元気塾 主宰・幼稚園研修.com 運営代表・保育研修プロデューサー
キャリアコンサルタント・認定心理士・TA心理カウンセラー・メンタルアップマネージャー
主な著書に「園児を集める49のヒント」「連絡帳の書き方ハンドブック」民衆社刊