戦力の職員

公開日: 2023年12月11日

こんにちは、安堂達也です。

今日は「経営力のアップ」を図るための職場研修のご案内です。
経営者の立場からは「もっと、経営目線になって、教職員には動いて欲しい。発想して欲しい。」という声をたくさん聞いてきました。
また、「園児募集のことは、教職員に言っても仕方がない」「採用については、すべて私がやっている」という声も、同じように園長先生から伺う言葉でした。

本当にそうでしょうか?

教職員との乖離を痛感している経営者からは、「経営者と教職員の間には大きな溝がある」「高い壁がある」「渡り切れない川がある」などという言葉も聞いてきました。
その先生にとっては、本当にそうなのでしょう。
しかし、そうした思いの経営者がけっしてすべてではなく、組織を一枚岩として、教職員と心を合わせて、園児募集や求人採用に取組まれている園が増えています

何が違うのか?

それは、教育です。
経営者の意思による戦略的なリーダー研修や職員研修によって、教職員の意識は育つのです。
そしてそれは、経営力をアップする即戦力となるものなのです。

職員の経営戦力化を職場研修で図る方法

【職場研修の活用目的】

職場研修を幼稚園が行うことには、経営者としての狙いがあります。 その狙いを大きく2つに分けるとするなら、「人材力のアップ」「経営力のアップ」というカテゴリーに分けることができます。


経営力アップの研修群

経営戦略に直結する各種研修で教職員の意識改革を促すことが目的です。 ※そして、実利が伴います。

1.組織力の強化(垂直思考)
職員連携力が、職員間の横のつながりを強化することだとすれば、ここでいう組織力の強化とは、垂直思考、すなわち、縦のつながりを強化することです。 組織内マネジメントが苦手な経営者ほど、階層的マネジメントを排除して、すべて自分一人で指示を出したり対応しようとして破綻されています。 全職員による会議だけでなく、各学年のリーダーを配置して、定期的なリーダー会議でトップダウンとボトムアップを行うことが必要です。 リーダー会議を定着させるリーダー研修、そして、リーダーの役割を明文化する人事評価票(キャリアアップシート)の作成が必要であり、その作業は全職員参加型の研修スタイルで実施することが出来ます。
組織力の強化は、経営方針の実行力を高めることに直結します。


2.離職防止(働き方改革)
この数年、弊社への経営コンサルの依頼テーマが「離職対策」が最も多くなっていることは、以前お伝えしましたが、コンサルティングを導入されることにより改革のための職場研修を始めた法人様では、現在のところ、ご依頼を頂いた年度からさっそく離職者ゼロの実績を生み出し、その記録は各園で現在も続いております。 離職を食い止めることが出来れば、職場の空気が穏やかになります。 職場の空気が穏やかになるという意味は、修羅場をくぐられてきた経営者様なら、すぐにピンとくると思います。 離職防止を目的とする職場改革の取組みは、全職員参加の職場研修によって、自立型の思考法で自己責任による仕事への取組み姿勢を学びながら、職場に内在する課題や問題点を各自の視点で抽出し、改善への取り組み方法を自己責任思考で考案していきます。 また、ハラスメントの学習により、気づけなかったパワハラにお互いが意識を向けながら、命令口調の指導でなく、心理的安全性を担保した上での合理的なフィードバックで、 後輩が成長できる職場環境を築いていきます。 離職の多発は資本の流出であり、多くの風評被害も生み出します。 本質的な成果は、本格的な取り組みの中からしか生み出せないのです。


3.求人対策(職員主体型求人体制作り)
求人については、多くの園で、園長先生や職員室の事務方が担当されてきました。 20歳の学生さんの園見学に、60歳の園長先生が付き添いで説明して回ることは、とても普通の風景でした。 しかし、学生さんの立場からすれば、緊張こそすれども、リラックスして親近感を持った園見学には程遠いものではなかったでしょうか? きさくに疑問点を質問したり、冗談に笑って答えることが出来たり、という場面を作り出すには、やはり年齢が近い職員の対応が最適なのです。 そのために、求人対策研修会というものを実施し、全職員に向けた求人の全職員対応のための意識改革と、求人委員会を作り、有志による見学者対応の新たな仕組み作りを行います。 研修の中で、全員総出による求人ビデオ撮影も行います。 この研修により、教職員が教育実習生への対応法までもが意識が変わり、年間を通じた求職者対応に、年齢の近い若い教職員が対応できるようになって、求人獲得成功率が高まっていきます


4.園児募集対策(職員参加型未就園児保護者対応技術修得)
地域から信頼され、園児が集まってくる園作りのためには、職員全員の意識改革が必要であることに異論を唱える経営者はいないと思います。 しかし、それをどうしたらよいかわからない、というのが本音かもしれません。 これまで、在園児の教育は現場の先生、園児の募集や宣伝は園長や事務の先生、そういった分担意識を持ってきてしまい、園児が減少しても、賞与は同じにもらえるものと考えている教職員がいるとしたら、その意識は経営者の指導不足と言わざるをえません。 日常の教師の保育が良ければ、その結果が園児募集の人気につながるという、全く単純明快なことを、経営者は日常的に伝えるべきなのです。 研修は全職員に向けた日常の保護者対応や保育のあり方の研修から、未就園児クラス担当者を集めた、合理的展開のための教室設計研修を行います。 また、地域における広報の在り方について、インターネットだけでなく、アナログ視点からできることを学び、作戦会議を展開します。


5.人事評価制度の導入
離職防止や求人対策を入り口として研修を導入された園が、その先にたどり着く研修がこの「人事評価制度導入研修」と言えます。 一般的にはこのテーマは「コンサルティング」として実施されることが多いテーマですが、弊社ではこのテーマをあえて「職場研修による取組み」として行っています。 経営者が作成して職員に降ろす人事評価項目よりも、教職員が参加して作成した評価項目の方が、自発的に職員が取り入れやすくなるからです。 この制度の導入では、すでに複数の園長先生から「もう作ってある。でも使えていない。」という声を伺っています。 つまり、コンサルタントの請負では、作るまでは仕事として責任をもって作りますが、運用は現場責任でお願いします、ということになりがちなのです。 すなわち、この制度の導入には3つのポイントがあるということです
実用性のある人事評価票を作ること
②日常考課が可能となる考課者訓練をしっかりと行うこと、継続すること
③効果が職員のメリットになる評価型賃金表または賞与の仕組みを整えること

ということになります。

この仕組みを作り運用することで、リーダーの部下指導力が高まり、また、キャリアパスも見えやすくなり、若手の成長も早まるという効果があります。

職員研修で経営力を高めるということは、職員一人ひとりが経営を支える即戦力になるということであり、それは、経営者の意思がなければ取組むことが出来ないのです。



本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
今週も、笑顔で仲間と働き合えますように♪



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文責(C)安堂達也 

株式会社安堂プランニング 代表取締役・幼稚園経営コンサルタント
幼稚園☆元気塾 主宰・幼稚園研修.com 運営代表・保育研修プロデューサー
キャリアコンサルタント・認定心理士・TA心理カウンセラー・メンタルアップマネージャー
主な著書に「園児を集める49のヒント」「連絡帳の書き方ハンドブック」民衆社刊

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