戦略の研修

公開日: 2023年12月4日

こんにちは、安堂達也です。

教職員の学習機会の創出として、職場研修のお話をいたしますが、法人によってその取り組みは完全に二極化しています。それは、研修は夏休みを中心に、職員が自由に選んできた研修に行かせているだけで、園内研修は全く行っていないという園。

そして、職員が顔を合わせて行う研修が重要として、毎月のように研修を行っている園。

たった1年でも新任教師が大きく成長できる園の背景には、職場研修の取組みが隠れています。 すでに取り組まれている園では常識かもしれませんが、まだ取り入れていない園では、新鮮に見えるかもしれない、職場研修を実施する目的について、弊社の事例を元にお伝えします。

職場研修を経営者目線で導入する狙いとは?

その答えは、実利があるからです。
【職場研修の活用目的】

職場研修を幼稚園が行うことには、経営者としての狙いがあります。 その狙いを大きく2つに分けるとするなら、「人材力のアップ」「経営力のアップ」というカテゴリーに分けることができます。


人材力アップの研修群

人材育成のための各種研修で教職員の成長を支援することが目的です。

1.職員連携力の強化(水平思考)
弊社のお得意様で最も長く継続されている園のひとつであるA園様は、かれこれ12年になりますが、研修の目的は「社内のコミュニケーション」これ1本です。 当初は隔月でスタートし、現在は年3回。前年度中に予定組みされています。 内容については、コミュニケーションのスキルをアップするという座学よりも、お互いの教職員が直接触れ合い、新学期のスタートに向けて意識と思いを共有するという実務直結型の研修を行っています。


2.職場文化の継承または刷新
弊社の職場研修の請負の契機は、経営コンサルティングと同時に始まることが多いです。 法人側の事情としては、園長の交替や園児の激減、といった状況の中で、現場を立て直したいというご要望です。 良い面がなくならないように、入れ替わりが激しく世代中間層が抜けてしまった職員の中で、良い文化や習慣を継承したり、逆に、無くしたい悪習を改める取り組みをしたり。 講師は、手順を教える指導者になったり、職員の意見を引き出すファシリテーターになったり、職員のやる気を引き出すムードメーカーとして演技もしながら、経営者が理想とする方向に職員を促していきます。


3.職務基準の理解と共有
毎年、春休みに新任者を迎えながら、職場のルールや仕事のやり方を伝承し、共有することを、研修を通じて講師はファシリテーションしていきます。 どんな職場にもすべきことやしてはいけないことがありますが、大半の職場では、それを改まって教える場を作っていません。 知らずにしでかしてしまった職員は、自分を責めるか、ふてくされるか。 そんなことが起こらないように、最初に共有する時間を作る研修会となります。


4.キャリアアップの促進
キャリアアップという言葉の意味は幅広く、元来は「経験を得ること」ですが、ここではキャリアパス(成長の道筋)を明確にしながら、役職毎に求められる技量と態度を明らかに示して、それを修得できるように支援する研修の体系としておきます。 この研修の中で、各役割の仕事内容や責任、求められる姿勢などを、職員相互に教え合い、伝えあいながら、成長に必要な不足している部分を自覚的に学んでいく機会作りとしていきます。 関連する取り組みとしては、・人事評価票の策定・業務マニュアルの作成・評価型賃金表の作成などがあります。


5.新任者研修
職場で行う新任者研修は、1年目の先生だけでなく、入職3年目の先生までを集めて行うことが多いです。 多くは春休みに実行していますが、年3回計画的に導入されている園では、細かいメンタルケアもできますので、現場からは大変好評です。 内容は仕事の心得やコミュニケーションスキルと言うだけでなく、保育としてのマナーや絵画指導、園児指導の声掛けノウハウなどを織り交ぜて行います。


6.リーダー研修
近年増えているのが、社会福祉法人様によるグループ内の施設長研修会です。 園内のリーダー研修というのは、多くは学年主任や教務主任を対象に、後輩育成の指導ノウハウをテキストを参照しながら受講していくスタイルですが、お客様の要望によりグループコンサルティング的な研修を、隔月開催などの頻度で継続的に行います。 これにより、現場でリアルタイムで起こる保護者とのトラブルや、課題の多い後輩職員の指導方法などについて、適宜の助言を行うことが出来ています。



7.業務基礎技術力の向上
・・マナー、指導案、時間管理、自立思考、マニュアル作成法、傾聴訓練、保護者面談法等 さらに細かい所では、上記に挙げるような具体的なテーマの講義型及び演習型研修を年間を通じて計画的に実施していきます。



本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
今週も、笑顔で仲間と働き合えますように♪



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文責(C)安堂達也 

株式会社安堂プランニング 代表取締役・幼稚園経営コンサルタント
幼稚園☆元気塾 主宰・幼稚園研修.com 運営代表・保育研修プロデューサー
キャリアコンサルタント・認定心理士・TA心理カウンセラー・メンタルアップマネージャー
主な著書に「園児を集める49のヒント」「連絡帳の書き方ハンドブック」民衆社刊

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