文化の革新

公開日: 2022年5月30日

こんにちは、安堂達也です。

今回も私学経営上のリスク管理・リスク回避について考えていきます。

内部リスクに対策する方法

学園の内部に潜在する経営の脅威となりうる事項


上記への対策を以下のように考えてみました。

1.内部へのリスク管理

①リスク発生の背景

SNSに顕著に表れる自己顕示欲求を促進する時代の風潮から、言わぬが損、言ったもの勝ちの総クレーマー予備軍化ン放任教育へと続く日本の教育力とモラルの低下、及び家庭内の道徳教育力の凋落により、育った大人のモラル低下、対人関係力、組織内教育力の弱小化へと続いている。


②リスク発生の構造
そもそも日本人のモラル自体が戦後右肩下がり。さらに採用教職員の平均的能力の低下が年々積み重なれば、先輩教職員の指導力基盤が脆弱化していく。組織の弱体化へのスパイラルに誰かが気づけない限りは、職場内で誰も現状に気を留めない。職場内のいじめやパワハラにも気づけない。あいつはできない職員だから、あれくらい言われるのは当たり前。クラスの園児、みんなと足並みそろわずめんどくさいから、あの子にはあまり気を留めたくない。職場内に後輩をいたわる母性を持った先輩がなければ、ギスギスした職員室は変わることなく、そんな職場だから離職は止められないし、その空気は専門校にも周知で実習生さえ近寄らない幼稚園になっていく。持ち帰り残業、管理職は見て見ぬふり。教師なんだから当たり前。



③リスク予防の対策
1.基本行動
内部へのリスク管理は、不感症の解消が先決。今「おかしいよね」という気づき、つまり、課題の存在をないことにしない姿勢から始める。それは、多忙の中ですべての職員が時間と仕事に追われ、ぎりぎりの精神状態の中で目先の仕事だけをこなす時間の使い方に風穴を開けること。それは何か?みんなでご飯を食べに行くこと。仕事以外の話をすること。バカな話をたくさんして、笑い合いながら、今日のご飯美味しかったねと、笑顔で帰ること。また行こうねと声掛け合えること。

2.具体的習慣
職員モラル啓発 → 日常マナーから休日SNS投稿まで保護者監視リスク
職員の日々の行動基準の見直しを図る。就業規則の服務規定を読み直したり、自分たちが日ごろ違和感を感じている職場内の行動の在り方を話し合い、自分たちが地域に誇れる教師の在り方を話し合う。
新たな行動指針作り。自分たちが胸を張れる理想の教師になるために、必要な日々の行動を全職員で書き出して、文章化していく。まとめた行動指針を毎日声に出して、復唱し自分たちに叩き込む。
日感謝と感動を毎日伝え合う。朝礼や終礼、ブログやYouTube動画などで、保育をしていて出会う素晴らしい人(仲間や園児、保護者)や出来事に、感謝の言葉を伝える、また、感動を共有する。


人材育成 → キャリアアップのシステム未完了による組織成長不全
人事評価基準をまとめる。評価のための基準ではなく、成長目標としての役職、役割ごとの評価基準を文章化する。それも管理者がまとめるのでなく、全職員総出でまとめ上げることで、一体感が生まれる。
成長支援のための後輩育成能力を先輩職員は身に付ける。動画教材でもいいが、とにかくこればかりは研修で勉強するしかない。学園は学年リーダー以上には教育予算をかけて人材育成を推進する。
キャリア一律の賃金形態をやめる。同じ年齢やキャリアでも、有能優秀な人材に高い報酬を与えることが出来る賃金の仕組みを作る。人事評価との連動性を図る。頑張ることが現金報酬にもつながるようにする。

求人対策 → 少子化新卒者獲得競争下での競争力低下と日常的人材不足

経営者や事務方のみの求人対策という考え方を捨てて、全職員で取り組む意識を持つ。その中で、特に若手職員、学生に近い年齢の職員を中心にリクルート委員を設けて、求人戦略を考えていく。
教育実習の在り方を変える。実習生を指導するという考え方をやめて、保育体験エンターティーメントを提供するくらいの転換を行い、お金を払ってでも実習させてほしいと言われるような仕組みを作る。
リクルートのPR方法を変える。お金を出して業者に依存する求人対策をやめて、自分たちで情報発信力を高めていく。インターネットへの顔だしはリスクがあるからできないという園は先行する園の100倍工夫しないと採れない。

離職対策 → 昭和気質リーダー層と平成若手層との乖離による断絶リスク
仕事の仕方を見直す。仕事のスケジュールをベテラン中心でなく、若手の進捗速度感を基準に組み立てる。業務断捨離を行う。分掌を見直す。保護者の行事、保護者の対応方法を見直す。カリキュラムを見直す。
職場内の人間関係を見直す。人間関係をよくするためには、仕事以外のコミュニケーションが重要であることを理解して、安心して相互自己開示できる遊びを取り入れていく。先輩はハラスメント教育必修。
若手職員の育成方法を見直す。業務マニュアルを見直す。業務マニュアルを難しく考えず、メモを取るくらいの感覚で全職員が作成できるよう訓練する。業務行動をマニュアルで統一化を図る。メンター制度を導入する。


いかがでしたでしょうか?
貴園の安定経営とリスク管理に少しでもヒントになれば幸いです。

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

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メルマガ文責(C)安堂達也 

株式会社安堂プランニング 代表取締役・幼稚園経営コンサルタント
幼稚園☆元気塾 主宰・幼稚園研修.com 運営代表・保育研修プロデューサー
キャリアコンサルタント・認定心理士・TA心理カウンセラー・メンタルアップマネージャー
主な著書に「園児を集める49のヒント」「連絡帳の書き方ハンドブック」民衆社刊

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