集客の動線

公開日: 2023年1月30日

こんにちは、安堂達也です。
現在、園児募集メソッドについての解説を進めております。なかなか文章だけではうまく伝えきれないもどかしさもありますが、 お目通しいただくだけでも、そういう考え方ややり方があるのか、と新たな気付きになれば幸いです。

4.来園計画

メソッドの4は、入園前の幼児親子の動員を図るための教室やイベント設計の方法です。前回は、園の魅力を再生するという作業でした。今回は、その魅力を入園前の未就園児親子さんに伝えつつ、年少児募集までの入園者予備軍を組織化するための手法として、どのように考え計画していくべきなのかについてお伝えします。


1)誘導計算

募集年少児童数を満席とするために必要な入園前動員数を算出します。

園児募集の成否を、説明会や願書受付時の「天候」のせいにされていた園長先生がいらっしゃいました。私がこの仕事に関わって間もなくの時ですから、20年以上昔のだいぶ以前のお話ではありますが、そのくらい園児募集というものが、計画性がなく場当たり的に行われていた、もしくは、さほど策略しなくても十分に集客できていた過去があるということなのでしょう。

しかし、現在の私立幼稚園の園児募集に置きましては、来年の年少児入園者数を何名とし、その入園時獲得のためには、経験上、未就園児教室などのイベントにどれほどの集客や組織化をしておかねばらないかを明確にして計画していかなければ、「天候」依存の時代とたいして変わりはないことになります。

2)教室設計 

必要動員数を組織化できる規模の入園前の教室の展開数を算出します。

最終的に新入園児を100名獲得したいものとします。この100名という数字に対して、実際にどれだけの集客を「新規」に行う必要があるのかを把握する必要があります。

多くの幼稚園が、今や在園児の兄弟(弟妹)を優先的に入園をさせるようになっていますので、これをこの年度に30名の弟妹児が入園を希望しているものとするなら、70名の「新規」入園児集客をする必要があります。

しかし、70名(組)の親子が園庭開放で幼稚園に来ていても、100%が入園することはまずないので、過去の経験から70名の入園を得るためには、何人の園庭開放来園者が必要であるかの予測を立てるのです。

2人に1人は入園になっているというのであれば、年間(実際には春から入園受付までの半年)で140名の来園者が必要という計算になります。

教室設計においては、1)初訪者→2)リピート者→3)予約者、という3つのプロセスを意識した組み立てとします。

1)初訪者集客イベントが園庭開放ですが、講演会でも見学会でも、魅力的な内容で初めての客が集まればアイデア次第で何でもありです。大事なポイントは、初訪者の住所・生年月日を記録することとリピート可能な親子教室の案内チラシを手渡し誘うこと、動機付けとしての無料参加クーポンを発行することです。リピートから予約に至る親子教室やプレ幼稚園は、無料ではなく有料にすることが大切です。

2)リピート者を受け入れる「有料の親子教室(母子参加)」を固定クラス制で組織化すること。そして、

3)予約者を受け入れる「有料のプレ幼稚園(母子分離)」をできるだけ70名に近づけるようにクラス展開を企画していくのです。理想的には、年少児の新規受入はなく100%プレ幼稚園からの移動で、後はキャンセル待ちという形になります。


3)環境整備

部屋、担当者、教室の内容等、教室実施や誘導の為の行事を整えます。

教室設計を行う上で現実的な課題となるのが、空き部屋がいくつあるのか。担当できる先生が何人いるのか。一コマの教室時間をどのように組んで、上記の目標人数を達成できるような流れの仕組みを作るのか。こうしたことを、現実的に可能なことからひとつずつ積み上げて、計画していきます。

担任以外の先生がなく、他に頼む予算もなく、というところから始めた関東のある幼稚園では、教室の空く土曜日に、午前中に3クラスを回転させるという大技でスタートし、閑古鳥が鳴いていた当時の影もなく、今はキャンセル待ちが出る人気の幼稚園になっています。

教室の開催頻度は、できるだけ月例でなく週に1から2日は参加できる頻度で組まないと、他園に親近感と愛着を奪われてしまいます。

園児募集コンサルティングでは、こうした微妙なさじ加減を幼稚園の実情に合わせて調整しながら、安定経営への道を模索していくのです。

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
今週も、笑顔で仲間と働き合えますように♪



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メルマガ文責(C)安堂達也 

株式会社安堂プランニング 代表取締役・幼稚園経営コンサルタント
幼稚園☆元気塾 主宰・幼稚園研修.com 運営代表・保育研修プロデューサー
キャリアコンサルタント・認定心理士・TA心理カウンセラー・メンタルアップマネージャー
主な著書に「園児を集める49のヒント」「連絡帳の書き方ハンドブック」民衆社刊

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