慰留の話法
こんにちは、安堂達也です。
本日の幼稚園経営バイブルは『退職希望者への慰留の話法3つのポイント』についてお伝えします。
「今年いっぱいで辞めたいと思います。結婚するわけではありません。」
こんな風に教職員から伝えられたら、先生はどうしますか?
しかも、これまで信じていた将来のリーダー候補性、期待の星がそう言うのです。
あっさりと「ああ。そう。」と退職願を受け取ってしまいますか?
私はこれまでの経験から、結婚転居による離職以外は、たいてい慰留できると考えています。
退職希望者への慰留の話法3つのポイント
今日はその慰留のための話し方の、3つの最重要点をお伝えします。
1.退職希望者の心理状態を理解する
その教職員は「冷静」「平静」な状態で申し出ているのか、「感情的」「抑圧的」な状態で申し出ているのかによって、話し方の態度を変える必要があります。
「冷静」で何かをもう決め切ったような態度であるなら、それは相手が退職を考えた経緯や理由に耳を傾け、合理的に「離職理由をつぶす」戦略をとります。
「感情的」で疲れきったような態度であるなら、それは相手の心情に寄り添い、相手の気持ちの流れを共感的に受け止めながら、一緒に泣いてあげるという「情緒的」戦略のもとに、要因を改善する約束をします。
2.学園のニーズでなく職員のニーズで対応する
慰留のお話をする場合につい行う行動が「今、あなたに辞められたらどれだけ法人が困るか」という学園の都合を伝えるということです。
これは、辞めたい相手にとっては、どうでもよいことであり、責任感の重い人を悩ませるくらいの手法でしかありません。
どうして辞めることを選択するようになったのか「辞めたいと考える教職員の個別の事情」に耳を傾け、辞めさせたくない相手であるなら、その要因に対処した形の提案を行い、慰留に努めます。
「仕事量が多い」「帰宅後や週末の仕事の負担が大きい」ということなら、業務改善を約束する。
「対人関係がうまくいかない」ということであれば、それはたいてい特定のだれかとの関係、通常は学年主任や教務主任ということが多いのですが、次年度の人事配置の配慮やハラスメント研修導入などの職場意識の傾向を推進することを約束します。
3.話すより聴き、理屈より感情で説得する
慰留というと、とにかく説得のイメージ、こちらからの説明やなだめる、くどく、という印象を持たれる方も多いと思いますが、最も大切なことは、充分以上によく聞いてあげるということです。
人の価値をお金で換算することは、とても嫌なのですが、わかりやすく言うなら、1名辞めて1名補充することを人材紹介を通じて行えば、100万円かかる話です。
でも、今目の前の教職員の話を聞いてあげるのは、今日のこの1日だけに集中すべきです。
つまり、こういうお話の対応を、1時間程度の話し合いで終わりにしようと思ってはいけません。
相手が話しつかれた、泣きつかれたといえるくらい、それは、今から1日が終わるまでは君に付き合うよ、という意識でお話を聞くのです。
「何故あなたが時計をチラッと見るたび、泣きそうな気持になるの?」 と、デビュー41周年の松田聖子さんも歌っています。
そういう気持ちにさせないように対応することが大切です。
これから年度末にかけて、退職を願い出る職員が増えてくるかもしれません。
参考になると嬉しいです。
先生の学園経営、施設経営にお役に立てれば幸いです。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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メルマガ文責(C)安堂達也
株式会社安堂プランニング 代表取締役・幼稚園経営コンサルタント
幼稚園☆元気塾 主宰・幼稚園研修.com 運営代表・保育研修プロデューサー
キャリアコンサルタント・認定心理士・TA心理カウンセラー・メンタルアップマネージャー
主な著書に「園児を集める49のヒント」「連絡帳の書き方ハンドブック」民衆社刊