慰留の秘訣
こんにちは、安堂達也です。
本日は、毎年離職が続いている職場が、どのように離職を食い止め、健全化を図っていったらよいのか、という話題について、経営者の対応のポイントと本課題に対応する職場での取り組み研修についての情報をお伝えします。
離職が続く職場で経営者ができること
本来は、日常的なコミュニケーションによって、離職の芽を摘むことが大切ですが、今回はすでに職員からの動きが発生している前提で流れを進めていきます。
離職を察知してからの対応のフロー
1.離職の意向を察知した
直接申告されたり、他の職員から伝え聞いたりする中で、職員の離職の意向を察知します。それがどうやら多数の離職希望の声が聞こえてくると、経営者は夜も眠れぬ日々を送ることになります。
2.事実の確認を行う
離職の意向が確かなものであるのかどうか、職員面談を直接行うことで、その理由や背景を探ります。明確な結婚や妊活等の計画が確定でない場合は、理由として伝えられるものは辞めるための「口実」である可能性も高いです。
3.職員全体の面談を行う
この契機に、職員全員と面談を行い、職場や働き方に関する一人ひとりの「感受性」に耳を傾けます。辞めようと考えたことはあるか、その理由は仕事(量)なのか、人間関係なのか、自己卑下なのか。尋問のように圧力を与えてしまいかねないと自覚される経営者は、穏やかに話ができる現場のリーダーにその役を任せた方が良いでしょう。
4.離職に至る要因を分析し対応を決断する
面談によって顕在化した職場の課題について、整理分析して対策を職員に話せるくらいにまとめます。何度も同じことを繰り返してきた場合には、職員からその対応の計画を信頼されない場合もあります。必死の思いで改善の熱意を伝えることが出来るように、対応の姿勢を改めていきます。
5.職場全体に向けて改善を宣言する
全職員集合の場で、職場の改善への取り組みを宣言します。いかにこれまでとは違う決意と取り組みが示されているかを職員は見ています。これは「交渉」です。「今辞めたら、損をする」と職員が思えるような改革後の近未来像を提示できることが大切です。
6.辞めたい意向の職員には慰留の言葉をかける
こうした段取りを経たうえで、一人ひとりに慰留を促す声掛けを行います。全体に対応したからといって、それで終わりではないです。「あなたに居て欲しいから、こうした取り組みを行うのだ」ということを伝えます。「あなたに離れて欲しくないこと」「期待していること」を熱を込めて伝えていきます。そして、上司のハラスメントなどが伺える場合には、「今まで対応できなくてごめんなさい。苦しい思いに気づけなくて申し訳なかった。」とお詫びします。
※経営者の何割かは、職員にお詫びをするということが生理的にできません。「威厳を損ねる」と考えてしまうのですが、実際のところ、お詫びしないことで損ねているのは職員の「信頼」です。 もちろん、離職の希望が出ない、年配者から若手まで、誰も辞めることがない職場もたくさんあります。
しかし、残念ながらそうでない職場なら、日頃からできる意識改革に取り組みたいところです。
先生の学園経営、施設経営にお役に立てれば幸いです。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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メルマガ文責(C)安堂達也
株式会社安堂プランニング 代表取締役・幼稚園経営コンサルタント
幼稚園☆元気塾 主宰・幼稚園研修.com 運営代表・保育研修プロデューサー
キャリアコンサルタント・認定心理士・TA心理カウンセラー・メンタルアップマネージャー
主な著書に「園児を集める49のヒント」「連絡帳の書き方ハンドブック」民衆社刊