衝撃の苦痛
こんにちは、安堂達也です。今週も心の病の情報を提供します。
耐えきれない辛さで発症する心因反応
幼児教育の現場で話題にあがってくるのが、教職員や保育士の心の病による休職や離職の実態です。
残念なことですが、私が訪問する園の2園に1園は、こうした問題の相談事が【職場改善】に付随して出てくるものです。
知っておいていただくだけでも、いざというときに助けになるかと思いますので、数回にわたり【心の病】について、情報提供したいと思います。
情報提供者である私の立場は、保育の現場指導(臨床)経験を踏えた認定心理士、という位置づけであります。
第5回 【心因反応】
はっきりした原因(失恋、借金、解雇、パワハラなど)によって起こされた精神症状です。
家族や親しい人の死、失恋、職場の対人トラブル、失業、大きな事故・災害など、心理的に大きなダメージを受けたときに起きる「一時的な心理的反応」のことをいいます。
心因反応は大きく2種類にわかれ、ひとつは主に環境が原因で起こる反応と、もともとその人の性格の弱さがもとになって起こる反応があります。
心因反応は、精神病と神経症の両方を含む病気なので、精神病という病名を避ける場合に使われることがあります。
ほかの病気の症状と大きく異なる特徴として、本人にとってきっかけとなる大きな出来事が生じ、それによる葛藤や悩みという段階を経ないで直接引き起こされるという点があげられます。
種類)
1.驚愕・恐慌反応)非常に大きな出来事(災害・事故など)を目の当たりにしたときに、手足が麻痺して動けなくなる、腰をぬかしてしまう、理性を失って狂ったように走り回ったり、奇声を上げたりする状態のこと。
2.短絡反応)主に本人の人格の弱さやもともとの性格に関係しておこるもので、感情的な衝動によって直接行動に走ってしまうもの。誰かを傷つけたり、何かを傷つけたりと理性を失って破壊的な行動にいたることもある。
3.妄想反応)着任間もなくの慣れない職場で上司に激高されたりした後に「自分はいつも上司に監視されている」や「上司は私を目の敵にしている」などというような被害妄想を抱くことがある(原始関係妄想)。 また、実際には誰にもばれていないのに、秘密がばれてしまったと思い込んだり(敏感関係妄想)、自分の権利が阻害されたと思い込み、被害妄想にとりつかれて裁判所などに訴えるといった行動にでることもある。(好訴妄想)
症状)
精神病の症状が現われることもある。
対処)
治療はその症状により異なりますが、原因が除かれると改善することが多い。
事例)
結婚を約束した男性に7 年目にして別れを告げられた洋子さん。
彼女は大学を卒業し、難しい就職試験も突破して念願の会社に入社。彼女の希望どおりに配属もされて、職場には専門的な知識や技術において尊敬のできる先輩がたくさんいた。
中でも会社の将来を嘱望されると噂の4年先輩の男性社員からテニスクラブへの入会を誘われ、その後テニスだけではなく、仕事の面でも何かと親切に指導してもらい、ついにはそれが恋愛にまで発展して結婚を約束した。
しかし、それから6年経過して、この1 年前から会う回数が少しずつ減りはじめ、心配になって結婚の約束を彼に確かめたところ『あきらめてくれ』と言われてしまった。
それからは、携帯電話や彼の家へ連絡をとっても明らかに避けられるようになり、彼女はあまりのショックに、食事ものどに通らず、仕事も手につかず、結局会社を欠勤するようになってしまった。
両親が彼女を伴い精神科へ相談に行ったところ、「心因性うつ病」と診断された。
心の病は、特別な病気ではありません。
現代では、誰でもなりうる可能性があります。知識を得ることは、大きなリスクから職員や職場を守ることにつながります。
お知り合いやご近所に心療内科や心理カウンセラーがない場合は、弊社にご相談ください。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
今週も、笑顔で仲間と働き合えますように♪
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文責(C)安堂達也
株式会社安堂プランニング 代表取締役・幼稚園経営コンサルタント
幼稚園☆元気塾 主宰・幼稚園研修.com 運営代表・保育研修プロデューサー
キャリアコンサルタント・認定心理士・TA心理カウンセラー・メンタルアップマネージャー
主な著書に「園児を集める49のヒント」「連絡帳の書き方ハンドブック」民衆社刊