改革の促進
こんにちは、安堂達也です。
ちょうど研修開始から1年を経過したとある社会福祉法人様での施設長研修会と主任研修会。
1年間を経過した節目に、理事長、本部長も参加されて、振り返りの言葉を頂きましたので、ご紹介します。
1年間の管理職者研修を振り返って
ちょうど、昨年の年明けからスタートした法人グループ様での、園長、そして主任の、別々の研修会。 1年という節目で、振り返りの時間を持ちました。
1.研修導入の狙い
こちらの法人グループが初めての保育所を開設した時は、園児数32名。
それが現在はこども園も含め全部で5園、園児数500名の規模になったが、急成長による新設園も多く、したがって施設長(園長)も新任者が多く登用され現場の職員との連携に苦慮していた。
そこで、園長としてのコミュニケーション力、リーダーシップ力の育成を狙いとして、園長研修を。また、現場の主任たちの園長連携と現場指導力の向上を狙いとして、主任研修会をスタートした。
2.研修の実施形式
・園長研修会は、法人本部会議室で2時間の隔月開催。
・主任研修会は、オンラインにより2時間の隔月開催とした。
※奇数月は園長会、偶数月は主任会
3.研修の内容
2時間という時間は、テキストを使用すれば1単元を講義するだけで終わる時間であり、演習やコンサルティングまで展開するには短すぎる。当初のご契約の時点では、講義形式で2時間での依頼だったが、途中から講義ではなく、グループコンサルティング形式に変更した。
グループコンサルティングとは、その時点で園長として抱える現場の課題を、その時間内でケーススタディとして提示し、安堂がその課題を解決するための考え方と解決の手法を伝えていくというもの。
園長研修会のコンサルティングが有効とわかり、それにつれて主任研修会も同様のリクエストを受けて、講義式を改め、その時点の主任の悩みを一人ずつ聴きながら、その場で解決のヒントや手法をお伝えするように変化した。
1年を経ての3つの成果(理事長、本部長、受講園長先生の言葉から)
①園長の、まず見た目が変わった。もちろん中身も大きく変化成長されたが、とにかく立派になった。(本部長の言葉)
※(安堂解説)1年前の園長先生方の服装は、女性は地味な普段着のような服装で、男性も控えめな背広姿であった。いわば、当時は自信喪失していたこともあり、暗い表情でしょぼくれたおじさん、おばさんに見えてしまいそうだった。私の指導は、まずは視覚的リーダーシップを示す必要性を訴え、その職場で一番美しくなるようにとはっぱをかけた。それは、男性は清潔感を、女性はお化粧をしっかりとし、明るめの色彩のスーツを着用。男性のスーツは、自分の現在のイメージよりもランクアップした背広を着用、と指導。立ち方と歩き方の指導を行い、胸を張り、堂々とした笑顔と態度で、立ち居振る舞いを意識するようにした。
②言う言葉が変わった。1年前とまるで別人のように変わった。(理事長の言葉)
※(安堂解説)研修当初は、参加される園長先生の多くが自信を無くした状態で、反発する現場の職員に対して、どう対応したらよいのかまるで手の打ちようがなく、戦意喪失した様子でさえあった。しかし、今回の振り返りの言葉の数々が、「職員の話に耳を傾けながらも、やるべき時はやり、いうべきことは言う」という強い決意の言葉を述べており、管理職者としての役割を認識し自信を得ていた。女性園長の中には、感極まり目を潤ませながら、1年の現場での奮闘を振り返ったが、隔月の研修会での安堂からの力強い支援の言葉が、まさに心の支えになったというコメントには、私自身もこみ上げるものを感じた。
③主任が私(園長)の話を良く聴いて、一緒になって動いてくれるようになった。(一人の園長の言葉)
※(安堂解説)法人からの主任研修会についてのオーダーは、とにかく管理的視点をもって、園長との連携をとって現場指導できるようになって欲しい、とのことだった。主任のオンライン研修会では、毎回、主任としての悩みを全員から聴いた。後輩の問題もあれば、園長への不信もあった。私は参加者一人一人への解決のヒントと同時に、全体に共通するセオリーを毎回説いた。それは、コミュニケーションの心理学を背景にした中間管理職者のマネジメント・テクニックであった。そして、園長の考えがわからない、信じられないということに対しては、園長へのインタビューを実施することを次回への主任の宿題とした。わからないことを、わからないとぼやくのでなく、自分から園長先生にインタビューとして、安堂からの宿題として聴きに行くということで、コミュニケーションの機会を作った。そして、その行動を日常化するように促していった。
今回の振り返りでは、他にもたくさんの気づきある発言がありました。
ここ数年のコロナ禍でのコミュニケーションの断絶の時間の中でも、少子化は加速度的に進行し、保護者とのコミュニケーションは神経質なものになり、職員の世代間乖離は深刻になっています。
国の助成金の後押しもあり、ICT導入によるハード面での働き方改革が進んでいるかのように見えますが、本質的には対人関係を軸とした永続的成長可能な職場文化を育てない限り、離職は絶えず、求人に困窮する状態が絶えることはないでしょう。
そんな今だからこそ、職場に「永続的成長可能な文化」を育んで欲しいのです。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
今週も、笑顔で仲間と働き合えますように♪
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文責(C)安堂達也
株式会社安堂プランニング 代表取締役・幼稚園経営コンサルタント
幼稚園☆元気塾 主宰・幼稚園研修.com 運営代表・保育研修プロデューサー
キャリアコンサルタント・認定心理士・TA心理カウンセラー・メンタルアップマネージャー
主な著書に「園児を集める49のヒント」「連絡帳の書き方ハンドブック」民衆社刊