理想の追求
こんにちは、安堂達也です。
さて、保育の現場では、園長や主任の下で、中堅までの職員が、多様な業務への対応や若手の指導等を行うリーダー的な役割を持って働いています。こうした業務内容に応じたキャリアアップ(専門性の向上)を図るため、研修の機会を充実させることが重要となっています。
今回も、職場のキャリアアップを組織的に支援し、応援する仕組み【キャリアアップ制度の導入】について、8つの要素に沿ってお伝えしています。
役職別キャリアアップシートの作成
「キャリアアップ制度」は「現場のコミュニケーション(面談)」を軸に「職員の成長」を主目的としています。
今回は、キャリアアップ面談での育成支援の指標となる、役職別キャリアアップシートの作成(要素2)について、お話します。
1.役職別キャリアアップシートの作成
役職別キャリアアップシートとは、職員のキャリアアップを図るため、直属の上司と評価される本人が双方で持ち合い、対象期間の仕事の在り方を振り返りながら、あるべき仕事の姿と実際の行動をすり合わせていくことに使用するキャリアアップ面談での育成支援の指標となるものです。
作成のポイントです。
①キャリアアップシートの意義と使い方を理解する
キャリアアップシートは、上司が一方的に評価集計して、事務的に評価に利用するものではありません。本人が役職に求められている「責任と業務と態度」を理解し、自ら「目標」を設定して挑戦する事に意義があります。
②役職ごとに評価基準を統一して作る
キャリアアップシートは、同じ役職であるにも関わらず、人によって評価項目や配分を変えてしまうことは、評価の公平さを欠いてしまうので避けなければなりません。原則として、役職が上位になるほど、評価項目の難易度は高く設定されていきます。
③本人の自主目標を自主的に設定できるようにする
人により内容及び到達基準の差異があるので、「本人の意欲」「本人の能力」「役職における難易度の公平性」「学園の教育方針の理解」の4点に留意しながら擦り合わせていきます。なりたい保育者に近づくことが出来るように、本人の自発的な保育者像を応援できるようなシートを作ります。
④本人の自己評価と上司の見え方を伝えあい記録できる欄がある
面談には、事前の「目標設定面談」と事後の「評価面談」があります。事前には本人の目標設定を上司が応援し、事後の評価面談では、本人の「責任・業務・態度」の在り方をフィードバックします。それぞれの気づきを記録できる欄を作ります。
⑤項目の配分で重点を設定できる
評価項目ごとの配分(ウエイト)の置き方により、重点評価の高低をつけることができます。その際、配分の数字記入は、同じ役職では統一しておく必要があります。役割により、職員全体に必要な項目であっても、その重さにはキャリアにより軽重のバランスがあるためです。
⑥職場内の上司評価者の範囲を定めて擦り合わせる
評価面談の実施に当たり、評価する上司の階層をどこまでとするかを決めておきます。上司の報告を最終評価者である園長が受け、そこで共通認識をすり合わせて最終評価を行い、昇給や賞与評価に反映していきます。
上記の要素を踏まえて役職別キャリアアップシートの作成に取り組むことで、本人と上司が業務上の意思の疎通の向上を図り、職員のキャリアアップを促進する面談の下準備が整います。
単に評価用チェックシートでなく、本人の夢を実現するための夢実現シートになることが、意欲醸成にとても大切なのです。
次回も引き続き、このメルマガで【キャリアアップ制度の導入】について詳しくお伝えしていきます。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
今週も、笑顔で仲間と働き合えますように♪
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文責(C)安堂達也
株式会社安堂プランニング 代表取締役・幼稚園経営コンサルタント
幼稚園☆元気塾 主宰・幼稚園研修.com 運営代表・保育研修プロデューサー
キャリアコンサルタント・認定心理士・TA心理カウンセラー・メンタルアップマネージャー
主な著書に「園児を集める49のヒント」「連絡帳の書き方ハンドブック」民衆社刊