努力の評価
こんにちは、安堂達也です。
今回も、職場のキャリアアップを組織的に支援し、応援する仕組み【「キャリアアップ制度」の導入プログラム】について、8つの要素について順を追ってお伝えしています。
役職・キャリア別賃金表の作成
「キャリアアップ制度」は「現場のコミュニケーション(面談)」を軸に「職員の成長」を主目的としています。
今回は、キャリアアップの努力が評価される、役職・キャリア別賃金表の作成(要素3)について、お話します。
3.役職・キャリア別賃金表
賃金表とは、条件毎(職能や勤続年数等)の賃金支給額を定義した一覧表をいいます。
この賃金表により、一定の条件の下で、5年後、10年後の自分の賃金を予測できます。
現在、多くの幼稚園では、入職後のキャリアで一律支給となっており、役割の違いなどによる業務内容や責任に違いがあっても、キャリアが一緒なら同額になっているという矛盾が発生しています。
つまり、事実上の評価による査定がなされていない園が多くを占めています。
例えば、妊娠活動に入りたいので担任を外れて補助職を希望しても、年齢給により担任と給料額が同じであることに違和感を感じる経営者も多いと思います。
また、年齢で賃金表が作られている場合は、中途入職で年の若い先輩よりも後輩にあたる方が給与が高くなることへの、ベテラン勢からの不満という問題もあります。
いまや職員の日頃の努力が評価される賃金表の作成が、必要不可欠な時代と言えます。
作成のポイントです。
①評価結果に基づく公正な昇給と賞与のルールを定めること
自己評価を軸に上司のフィードバックを行い、本人の納得のいく評価結果を得られるルール作りをすることが大切です。
※言うは易し。されど、臭いものに蓋で手を付けない、という訳にはまいりません。
②机上の空論でなく、長期的に運用できる賃金制度であること
賃金の大系と賃金規定の在り方が、わかりやすくシンプルな構成で、長期的に運用可能な制度にすることが大切です。
※弊社は号棒等級でなく、「主任」「学年主任」「担任」「補助」「事務職」等の役職、役割別の賃金表を「キャリア」と「5階級」で作成しています。
③年齢とキャリアで一律でなく、仕事の成果が報酬に連動すること
営業職のように売り上げ数値で明確に定義できないのが保育です。しかし、面白いことに、園長先生や主任レベルでは「できる教師」と「劣る教師」を把握できています。
※成果を言語化するキャリアアップ面談シートにより、自己評価と上司のフィードバックで評価合意をいかに明瞭に獲得するかが、本制度の成否のポイントです。
上記のポイントを押さえながら、役職・キャリア別賃金表の作成に取り組むことで、日頃の成果と態度が報われる「評価型」の賃金表が整います。
次回は、要素④キャリアアップ・ルールの作成についてお話します。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
今週も、笑顔で仲間と働き合えますように♪
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文責(C)安堂達也
株式会社安堂プランニング 代表取締役・幼稚園経営コンサルタント
幼稚園☆元気塾 主宰・幼稚園研修.com 運営代表・保育研修プロデューサー
キャリアコンサルタント・認定心理士・TA心理カウンセラー・メンタルアップマネージャー
主な著書に「園児を集める49のヒント」「連絡帳の書き方ハンドブック」民衆社刊