反撃の説教

公開日: 2022年10月17日

こんにちは、安堂達也です。

今日は先週配信の「勇気の宣言」の続編です。

さて、園長先生や教頭先生が、教職員に向かって「不安や心配事はため込まないで、いつでも言いに来てください」とお話ししたとします。 それを聞いて、不安を感じている教職員が「恐る恐る」先生にお話をしたいと申し出たとします。 せっかくの、心を開いてくれる場面に、多くのリーダーが失敗してしまうことがありますので、その失敗の数々を今日はお伝えします。

教職員面談に失敗する8つのケース

1.職員室など他の人に聞こえる部屋で話を聞こうとする

つい、カーテンで仕切ってあるからと声が漏れる面談コーナーを使ったり、事務職員がいるそばで話し始めてしまう人がいますが、相手は不安におびえながら話すのかもしれないという思いやりがあれば、そっと人に聞かれることがない場所に移動してあげることができると思います。

2.「共感」と「同感」を区別できないで聞いてしまう

世間で使う「私も共感します」の意味は大部分が「私も同意見です」の意味で使われています。カウンセリング的には、これとは意味が違うのです。 「共感」とは、自分と異なる意見の考えを、自分の意見と違うけれども、受け止めることができることを言います。つまり、教職員の意見が自分とは異なることが前提で「あなたの考えを私は、私の考えとは違いますが、受け止めて聞いていくことができますよ」というのが「共感」です。「同感」はまさに同じ考えであることです。この違いを理解して、面談の時には「共感」で聞いてあげることが大切です。

3.自分の意図を理解してもらおうと主張する

リーダーが期待していたことと違う捉え方をされたとわかったときに「そんなつもりで言ってない」と反論してしまいます。これは腰を折ったり、相手の理解力を馬鹿にすることにもつながります。コミュニケーション上は、だれもが自分が主役です。相手がそういう意味に受け止めたのなら、悪いのは言ったほうのリーダーの伝え方がまずいのです。あなたの主張より、「誤解させるような言い方をしてしまい、申し訳なかったですね」と謝り、相手の気持ちを受け止めることが大切です。

4.相手の話を途中で腰を折る

「そうじゃないでしょう」と腰を折ることです。勢いのあるリーダーは、ほぼ、この言葉が大好きです。

5.相手の話を否定する

前述と同じです。「意味が違います」「良く聴いてください」「何回も言ったのに」すべて同じです。
大事なことは相手が、今なにに「おびえているのか」「不安を感じているのか」その部分を聞いてあげることです。

6.相手の話を軽く扱う

「そんなこと」「それくらいで」「心配しすぎよ」「わはは」 相手は、わざわざ声をかけて聞いてください、と申し出ている話題を、軽く扱うことで、相手はひどく傷つきます。大事なことは相手が、今なにに「おびえているのか」「不安を感じているのか」ということです。

7.初めての面談で話し言葉をノートにとる

ノートを取られたり、録音されることは、強いプレッシャーになります。言いたいことも言わなくなります。見えるところで記録しないほうが良いです。

8.相手の誤解を正そうと熱が入り説教になってしまう

この面談の場面は、「相互理解」を目的にしないことが大切です。 リーダーの気持ちは「私の気持ちをわかって欲しい」ことから、つい、熱心に説明しようとします。この場所では教職員の気持ちだけをくみ取ることに集中してください。あなたの説教が入ることで「言わなきゃよかった」面談で終わります。


しかし、ここでお伝えしている面談の目的は、教職員に笑顔になってもらうことです。
リーダーの「人柄」を信頼して、ついてきてくれるようになってもらうことです。いわば「共感」と「傾聴」は、桃太郎の「きび団子」なのです。

言わなきゃよかった、という形にならないようにするには、あなた自身の思考の癖(好きな考え方、嫌いな考え方)を理解しておき、自分が好まない考え方と出会っても、聴く立場の場合に反発行動にならないようにすることが大切です。

この際の面談は「教職員の不安を受け止めてあげる」ことが大事であり、「教職員の間違った(と考えられる)行動や考え方を修正する」場面ではないということです。
では、それはいつ正せばいいのか、については、テーマを別に改めてお伝えします。



先生の学園経営、施設経営にお役に立てれば幸いです。

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。



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メルマガ文責(C)安堂達也 

株式会社安堂プランニング 代表取締役・幼稚園経営コンサルタント
幼稚園☆元気塾 主宰・幼稚園研修.com 運営代表・保育研修プロデューサー
キャリアコンサルタント・認定心理士・TA心理カウンセラー・メンタルアップマネージャー
主な著書に「園児を集める49のヒント」「連絡帳の書き方ハンドブック」民衆社刊

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